生涯オタク

世界一大好きで、世界一大嫌いな推したちへ

虚無舞台に通い続けた馬鹿なオタクの話

 

 

 

12月某日、待ち続けていた推しの舞台が発表になった。キャストの中には昔応援していた人がいて、知ってるキャストも多かった。

でも推しの名前は最初から5番目で、直感的に、これはきっと出番が少ないんだなって思って、虚無舞台になる予感がした。

 

それでも推しが出ていることに変わりはないので、東京全通までとは行かなくてもそれなりにチケットを取った。そして、大千秋楽は例え地方でも行かなくては!なんて馬鹿な考えを巡らせて、別に推しが主演なわけでもないのにラスト二日間分のチケットを取った。

 

迎えた初日、私の予想は的中していて、劇場は主役のオタクで溢れかえっていて、舞台が始まって30分経っても推しは一向に出てこなかったし、出てきたと思った推しから発せられる台詞はほんとうに少なくて、正直2、3回くらいが丁度良い内容だった。そんなこと俳優のオタクしてたら当たり前にあることだから推しが出るからという理由で沢山チケットを取った自分が悪いのはわかるけど、これをあと何回観るんだ???????って毎日考えながら劇場に通った

 

それでも舞台上に立つ推しを見ている瞬間はただただ幸せで、歌って踊っている推しの姿は輝いていて、当たり前に大千秋楽までこの意味のわからない虚無舞台を観ると思ってた

 

舞台の面白かった点

さだもとふうまの歌声と顔の良さ、石井さんの歌唱力、財木の顔の良さ、推しのビジュアル、真田の作った歌が思っていたよりも良かった(ラブシャワー)

舞台の残念だった点

時々音を外す主役、マチソワともなると台詞がもはや言えない主役、つじつまの合わない脚本(考えたら負け)、財木の出番の少なさと衣装のダサさ、上手下手にいるとドラムのこ〜すけくんが真田達に隠れてほぼ見えない、真田が歌い始めた途端に涙ぐむ一部のオタク、公演期間中のウメツの軽率な発言、公式中の人のノリの軽さ、物販開始5分で売り切れるアクリルチャーム、その他多数なので割愛

 

あまりにも真田くんがアレだったので、上演中睡魔で薄れていく意識の中で、私の記憶の中の真田くんを思い出していたりしてみたけど、私の記憶の中の最後にみた真田くんは、いいとものOPで馬跳びしている姿だったし、まともに見た演技なんてほっすのだし、過去に行っていた現場では基本的には先輩のバックで踊ったりしている姿だったのでなんの参考にもならなかった

ただ目の前で演技している真田くんの姿を見てなんの感情も出てこなかったし、やはりこいつは未だに表情筋が発達しすぎて顔がうるさいな、とか、カテコで素で話し始めるとやはりポンコツいじられキャラは健在なんだなとか、どうでもいいことだったし、何より私は真田より野澤派だったし、みすの時代の推しは深澤だったし、考えるのを辞めた

いつの日か忘れたけど、27歳の人がブロマイドを貰えた公演の日のカーテンコール、「27歳の人います〜?同い年ですね!俺たちの成人式はね!大雪だったんですよね!」って言っていて、確かに7年前の成人の日、大雪が降っていて、当時のみすののオタクたちは「みすのの5人が成人式の日に大雪!?みすのらしい!!」と騒いでいたな、なんて懐かしい気持ちになったりした。もしかしたらこの現場に真田くんを目当てに通っていたかもしれないんだなあと思ったけど、そうじゃなくて良かったなって心から思うくらいに私には今の推ししか眼中になかった。

 

世間がコロナウイルスで騒がしくなる中、細心の注意を払いながら電車に乗って劇場まで通った。せっかくこの前推しと顔を合わせて沢山話したばかりなのに、マスクしてお見送り(ましてや小走りで駆け抜けなければ行けない)なんてなんか悔しいし、まあ3月になれば個イベ沢山控えてるし、またその時話せばいいや、という考えでいた

神戸公演が始まってもコロナウイルスは終息するどころか猛威をふるい始めていて、休演日にはUSJに行ったとアホみたいに写真を上げる出演者に、こいつらは学校が休校になったとしても休みになった!と喜んで遊びに行く類の奴なんだな、と呆れ返ったし、そんな中で「11時から15時までの間しか起きてませんでした!歯医者に行ってました!」という推しのツイートにこいつはこいつで別の意味でアホだな、と思いながらも神戸に行く日を当たり前に迎えると思ってた。

 

政府からイベントの自粛が発表されたとき、「払戻になればもう虚無舞台に行かなくて済むのでは?」と心が踊った。

ホテル代も新幹線代もチケット代も戻ってくるならその金で推しに会いにいけるじゃん!と思った。

推しの踊ってる姿を観られないのは寂しい気もしたけど、推しの踊ってる姿を見る為にはそこに至るまでの意味のわからない話を見なければいけないし、なにより一月末に推しの接触イベにほぼ全財産を注ぎ込み大阪まで遠征していた私にとって神戸までの遠征費とチケット代が浮くのはめちゃくちゃありがたい話だった

 

ネルケ主催の舞台とイベントが払い戻し対応の発表になった日、なぜか推しの舞台だけは発表にならなくて、同じネルケなのに何故??と思ったし、その理由もなんとなくわかってた

東京でさえ満員になってなくて神戸なんて空席だらけなのに払い戻しなんてしたら赤字確定だしな…と思うしかなかった

友人に、「他の作品は払い戻しなのに推しの舞台だけ発表にならない!払い戻しにしてほしい」と愚痴を言ったりした

 

翌日、推しの舞台も払い戻し対応の発表があった。不思議なもので、あんだけ金返してほしい払い戻ししてほしいと言っていたのに、いざその判断を己でして下さいと言われたら戸惑ってしまって、めちゃくちゃ動揺した。

でもまあ、神戸に行かなければめちゃくちゃ金が浮くし。やっぱ行くの辞めよう、ホテルキャンセルしよう!そう思ってホテルをキャンセルした。

この段階で3月にある推しではない俳優の現場がひとつ延期になった。多分推しの出るリリイベも中止になるだろう、個イベも。でも仕方のない事だと思った。誰が悪いわけでもないし、命が一番大切なのはよくわかってる。

 

次の日、朝一番で新幹線の切符の払い戻しをしに行った。

今回の件で学んだのは、新幹線の切符は直前まで発券しないということ。私はギリギリで生きてるから乗り換えがスムーズに行くように予約した切符を早々に発券してしまいがちだけど、行かなくなった場合払い戻しが面倒だし、発券してしまったらキャンセル料も取られるし。今回の騒動で学んだ

コロナの影響で払い戻しの場合は、キャンセル料がかからない事をしらなかったので、みどりの窓口でお姉さんに、「払い戻しの理由はなんですか?」と聞かれて、理由…?払い戻しの理由なんて行かなくなったからしかなくないか?と思って「えっと…行く予定が無くなったので…」と答えたら、「コロナウイルスの影響ですかね?でしたら全額返金になりますのでカードお預かりします」と言われて、そこで改めて、キャンセル料を取らないほどのレベルのヤバさなんだなってアホみたいに考えた。

東京から神戸まで乗る新幹線の切符が手元から無くなった瞬間に、無性に悲しくなった。

「もう推しのあの演技とダンスは見られないんだな」って実感したら、めちゃくちゃ悔しくて、推しは変わらずに今日も舞台に立ち続けているのに、チケットは手元にあるのに、行かないんだな、って実感したら涙が出た。ラブシャワーの振り付けかわいくて好きだったなあとか、煙草をふかそうの歌詞が最高なんだよな、とか数少ない推しの出番を思い出して、円盤まで待たなきゃいけないのかな、でも円盤で映ってんのかな、って考えたりした。

 

家に帰った頃、推しが出る予定だったリリイベの中止が発表になって、いよいよ3月に推しに会える予定が無くなりつつあって、3月のイベントが全部延期や中止になったとしても私が明日神戸に行けば推しの演技が観れるけど、明日行かなかったら次いつ推しの姿が見られるかわからないんだなって思ったらもう答えなんて一つしか無くて。

 

馬鹿なのは百も承知だったし、親には反対されたし、政府からまたなにかしらの通達があったとして、神戸まで向かってる途中に舞台が中止になる可能性なんていくらでもあって。そしたらホテルだってキャンセル代全額かかるし、新幹線代だって無駄になるし、考えただけで悔しくなった。

そう頭では思いながらも、スマホでホテルを予約し直していて、「前日以降のキャンセル料100%」の文字に目が眩んだけど、新幹線の切符も予約していて、ただただ無心でスーツケースに荷物を詰めた。

 

神戸に行く当日、土曜日のはずの電車は驚くほどに空いていて、スーツケースを抱えてる人なんて私くらいしかいなくて、「この状況の中で旅行に行く馬鹿な人」というのを世間に晒してる気がして、東京に着いたら本当にテレワークや自社出勤してんのか?って思うくらいのサラリーマンで溢れかえっていていつもと変わらない、でも観光客は少ない東京駅に戸惑いながら、そして神戸に向かってる途中に中止の発表があるかも知れないという不安と闘いながら、新幹線に乗って、神戸に着いた。

 

噂に聞いてた通り劇場は半分が埋まってるのかもギリギリなくらい空席だらけで、前列だってちらほら空席があって、推しはこの客席を何回見たんだろうなあって思ったら悲しくなった。(まあ推しは前列のオキニにしか目線を送らないので気にしてないかもしれないが)

 

でも舞台上に立っていた推しを見た瞬間、心の底から「ああ、来てよかった。また見られてよかった」と思った。めちゃくちゃ不安な気持ちで神戸まで来たはずなのに、そんな事どうでも良くなるくらい推しはかっこよくて、輝いていて、私の大好きな推しの姿がそこにはあった。

やっぱり台詞は少なかったし、日替わりシーンだって目立つ訳では無いけど、その日替わりで見られる推しの表情はきっと毎日違うものだから、やっぱり私は今日この公演のこの日替わりでしか見られない推しの表情を見る為だけに来てよかったと思った。

東京公演で呆れるくらいに見た振り付けだけど、何回見てもこの曲のこの振り付けは好きだなあって思った。

 

事務所に送ろうと思っていたはずの手紙も、ちゃんと公演期間にプレボに入れることができた。

2日目の朝、場当たりの合間に更新したであろうブログを見た時、このブログを家で読むことがなくて良かったと思った。きっと家で読んでたら、今神戸に居ないことを後悔してただろうなあって、ブログにコメントを書きながら、ホテルのベッドの上で思った。

 

全27公演、こんなにも早く終わってくれと思った舞台は初めてだった。

手元に余ったチケットは全然捌ききれなかったし、チケの取引予定だった主役グループのオタクは礼儀知らずで結局白紙になるし、推しはカテコでオキニにばっかり目線送ってて嫌になるし、食品NGだからという理由で普通のプレゼントを買ってプレボに入れた翌日、ウメツの軽率なツイートによりチョコを忍ばせていたオタクが居たことを知るし、それとなく推しもオタクからのチョコを受け取っていた事を知ってふざけんなよと思ったし、物販のレシートは推しの名前間違ってるし、公式のノリは最後まで軽かったし、なぜバンド曲なのに手拍子しなきゃいけないのか意味がわからないし、未だにユウマとショウのキスシーンは必要だったのか謎だし、たった一つのアルバムしか残してないと言い切るジミヘンとmementomoriのCDしか残してないと言ったショウどっちが正しいのかわからないし、収録に行くって言ったはずが生放送になってるし、大楽のカテコで主役は散々身の上話をした後に「早く帰って寝たい」とか「早く東京に帰らなきゃいけないんだよ」って発言するし、もう本当に沢山沢山文句がある!!!マジで!!!!!クソ!!!!!

 

でも今回の舞台に通った事で虚無舞台に耐えられる力が付いたし、楽日の日替わりの推しがはちゃめちゃに可愛かったので、わたしはもうそれだけで良い。全部チャラ。

 

多分これから先も虚無舞台に通わなければいけない事があると思うけど、きっとその時だって私は推しのちょっとした表情や、仕草とか、そんな他の人からしたらどうでも良いような事に希望を持って、今回みたいにアホみたいな理由を述べながら通って、馬鹿みたいに諭吉を無駄にして、何年もオタクやってるんだろうなあって思う。

 

舞台「27-7ORDER-」

27歳で亡くなったミュージシャンを題材にした登場人物たちの数々。神戸に行く途中の新幹線で、推しが27歳になった時も私は推しのオタクやってんのかなってどうでも良い事考えたけど、なんかほんとにその時もオタクやってんじゃ無いかなと思った。そんで27歳のバーイベで推しに出す手紙に、「あの舞台から3年だね!あっという間だった!」とかアホみたいな事書いてんだろうなあ

 

もう2度と推しにはあのグループと共演して欲しくないと両隣に座った女が真田の歌声にすすり泣き始めた初日に思ったけど、悲しきかな次の舞台も推しは安井くんと共演してしまうので、私は多分また虚無になりながら2020年の夏を過ごすと思う。大楽だけの演出で泣き喚くオタク多すぎて葬式か???となったし、カテコでオタクを立たせたまま挨拶し始めた真田に、とりあえず一旦座らせるのが礼儀だろ💢と舌打ちしそうになった

 

 

これにて推しの今年の初舞台は終幕!お疲れ様でした!モチベの為にDLしたザ・ローリング・ストーンズの曲は今日をもって削除!

乗り換え予定の新大阪で551の豚まんと、りくろーおじさんのチーズケーキを買う目標は今回も達成出来なかったので、5月のバーイベ大阪まで持ち越し!!!悔しい!!!

そして神戸まで来て食べたのは、神戸駅で買ったどこの名物かもわからないステーキ弁当と、ホテルの地下のスーパーで買った酒の数々、マルコメのインスタント味噌汁、ヤマザキコッペパン、同じくヤマザキのランチパック、スーパーで作られたカツオのたたきとからあげだったので、今度神戸に来た時にはちゃんと神戸牛を食べたい!!!それか推しの行っていたしゃぶしゃぶの店に行きたい(神戸は全くもって関係が無い)

 

推しくんも、通い続けたオタク達も、お疲れ様でした!!!!!